MGLシステム(Multiple Groundwater Level Measuring System) とは、岩盤や地盤内の地下水圧を、1本のボーリング孔内の多深度地点で 正確にかつ長期的に測定するシステムです。
ダム、斜面、放射性あるいは有害産業廃棄物処分場、 エネルギー地下備蓄等の岩盤や地盤を対象とした工学分野では、 その設計・施工、安全管理に際して、 岩盤や地盤内の複雑な地下水圧分布を三次元的に知る必要があります。
MGLシステムは、こうした要求に答えるため建設省土木研究所と 民間5社で共同研究開発したものであり、 ダム工学研究会の平成4年度技術開発賞を受賞した 信頼性の高いシステムです。
MGLシステムの特徴
MGLシステムは、以下のような特徴を持っています。
- 水圧計、信号線等を収納したパイプ(MGLパイプ)を継ぎ足しながら 設置するので、 設置作業時などに損傷を受けにくく長期間安定して水圧を測定できます。
- 孔径66mmの調査孔内に最大5深度まで設置できるので経済的です。
- 設置深度は310mまで実績があります。
- 1測点あたり2個の水圧計を内蔵したタイプもあり、 水圧計指示値のチェック、故障時のバックアップが可能なため 高い信頼性を実現しています。
- 地すべり地、被圧地下水帯や高透水性・高流速地下水帯、 圧縮性地盤などのような特殊な条件下でも設置できるシステムを 用意しており、広い範囲に適用できます。
MGLシステムの構成
MGLシステムは、以下のような構成となっています。
MGLパイプ : 水圧計内蔵パイプ、延長パイプ
(上) 組み立てた状態
(中) 鋼管部品
(下) 鋼管内収納部品
記録装置 : 専用5チャンネルメモリーカード内蔵型
電源装置 : 蓄電池+太陽電池